年金請求のながれ

①初診日を特定

まず初めに、障害年金の受給に必要なことは、初診日を特定することです。

 

初診日とは、障害の原因となった病気やけがについて、初めて医師等の診療を受けた日をいいます。

同一の病気やけがで転医があった場合は、一番初めに医師等の診療を受けた日が初診日となります。

 

特定方法としては、初めて診療を受けた病院に問い合わせるか、直接、出向いて、診療録(カルテ)が保存されていることを確認します。

■初診日がいつ頃なのか思い出せない方

■初診の病院がどの病院か判断できない場合

■どの時点が初診にあたるのかわからない場合

■問い合わせたところ、診療録(カルテ)が破棄されていたり初診の病院が廃院している場合

→上記のような場合に直面した際には、この時点でご相談ください



②障害認定日における障害の状態確認

障害認定日とは、障害の状態を定める日のことで、その障害の原因となった病気やけがについての初診日から1年6か月を過ぎた日、または1年6か月以内にその病気やケガが治った場合(症状が固定した場合)はその日をいいます。

 

障害認定日または20歳に達した時に障害等級表に定める1級から3級に該当していることを確認します。(ただし、障害等級3級に該当するときは初診日の時点で厚生年金加入であった場合のみ、障害厚生年金が支給されます。)

 

障害認定日の障害の状態が軽くても、その後重くなったときは、障害年金を請求できる場合があります。

そのことを事後重症請求といいます。

 

事後重症請求とは?

 

障害認定日に法令に定める障害の状態に該当しなかった方でも、その後、症状が悪化し、法令に定める障害の状態になった時には請求日の翌月から障害年金を受け取ることができる制度です。

 

■障害等級1級~3級に該当するのか確認ができない、不安だと思われる場合

■障害認定日による請求が可能なのか、事後重症請求になるのか判断ができない場合

⇒上記のような場合はこの時点でご相談ください



③障害認定日における障害の状態確認

障害年金受給要件のひとつに、保険料の納付要件があります。

 

年金事務所の窓口、もしくは居住地の市町村役場の国民年金課に出向き、障害年金請求の保険料納付要件の確認をしてもらいます。

 

身体のお具合やご都合が悪く確認できない場合→この時点でご相談ください。

 

■保険料の納付要件とは?

 

次の①②のいずれかを充足していることです。

 

①20歳になった月(法律上20歳誕生日の前日の属する月)から初診日のある月の2か月前までの全期間の3分の2以上の納付、もしくは免除月数があること。

 

②初診日の属する月の2か月前までの直近の一年間(12か月)がすべて納付、もしくは免除月数になっていること。

 

※ただし、納期限を超えて、追加納付した月数や追加免除請求をした月数は納付、または免除期間として算入されませんのでご注意ください。

 

納付状況が要件を満たさないと言われた場合や、よくわからない場合→この時点でご相談ください



④請求に必要な書類の用意

初診日の特定、年金保険料納付要件の確認が取れましたら、年金事務所、もしくは市町村役場で必要な書類を受け取ります。(案件により必要な書類が異なります)

 

お身体の具合やご都合が悪く書類を取りにいけない場合→この時点でご相談ください

 

■必要な書類は下記のとおりになります。

(1)年金請求書用紙

(2)受診状況等証明書用紙

(3)診断書用紙

(3)病歴・就労状況等申し立て用紙

(4)その他請求条件の種類により必要とされる書類用紙

 



⑤初診の病院で、受診状況等証明書の発行依頼

ご自身が初めての診療機関であったと思われていても、受診状況等証明書を発行してもらうと、実はその前に別の病院を受診していた事実が判明した(証明書にそう書かれていた)ということは珍しくありません。

 

下記(1)(2)により請求することが難しくなった場合→この時点でご相談ください

(1)ご自身が初診と考えた日と違う日が初診日と証明書に記入されていた。

(2)その病院の前に別の病院を受診していたと記載されていた

 



⑥病院で、診断書の作成依頼

まずは診断書作成にご協力いただけるように、お医者様にお願いに行きます。

 

お医者様にご自身の傷病の状態について自己申告が十分にできないとご心配の方→この時点でご相談ください

 

お医者様は患者の治療に大変忙しく、診断書を作成するにあたり、必ずしも日本年金機構が定めている「障害認定基準」に則した「診断書の記載要綱」を確認する時間が取れるとは限りません。

 

ですから、しっかりとした自己申告と一緒に診断書の発行を依頼する必要があります。当然ですが、いったん発行された後での、診断書修正依頼には応じていただけないことが多いのです。

 

上記は、特に受給の可否判断、受給等級決定に対して直接かかわるため、障害状態に合致した正確な請求が出来るようしっかり確認することが大切です。

 

ご自身で確認が出来ない場合→この時点でご相談ください

 



⑦病歴・就労状況等申立書の作成

発病から初診日までの状況、これまでの受診状況、お医者様からの指示事項、傷病の状態、就労状況や日常生活の状況等を具体的に記入します。

 

診断書と同様に、認定結果に直接かかわる書類です。

事実を正確に記入し、就労が困難な状況である事を正しく伝えることが必要です。

 

通院していた時期と通院しなかった時期に分け、病院ごとに3年~5年ごとに分けて、時系列に記載するよう要求されています。要求される基準通り書かれていないと、年金事務所や市役所窓口では何度も書き直しを要求されます。それが書けないでいると、診断書の有効期限が切迫してくるなど、請求が困難になる場合もあります。ご自身で作成することが難しいと思われたら、迷わず、なるべくお早目にご相談ください。

 



⑧裁定請求書類等を用意

※請求の一例により必要な書類が異なります。

 

用意するものは下記のとおりです。

(1)住民票(請求日前一ヶ月以内の発行のもの)

(2)診断書(傷病によっては心電図やレントゲンのコピー等の添付が必要となります

(3)病歴・就労状況等申立書

(4)年金手帳または(基礎年金番号通知書)

(5)すでに年金を受給しているときは年金証書

(6)普通預金通帳または郵便貯金通帳、

(7)認印

 

加給対象である配偶者やお子様がいらっしゃる場合、下記の書類も併せて揃えます。

 

・配偶者やお子様がいらっしゃる場合

戸籍謄本、加給対象者の所得証明書、年金手帳、年金証書(被保険者証配偶者が年金を受給ている場合)学生証等(学生の場合)などが必要になります。

 

・20歳未満の障害者のお子様がいらっしゃる場合

診断書(お子様の障害の認定のためのもの)が必要になります。

 



⑨年金請求書の作成・提出・受給